不登校という状況の中で、お子さんの学習の遅れや将来への不安を感じている保護者の方は少なくありません。学校に行けない時期でも、今はスマートフォンやタブレットを活用して、自宅で質の高い学びを得られる選択肢が増えています。しかし、数多くのアプリがある中で「どれがうちの子に合っているのか」と迷ってしまうこともあるでしょう。
この記事では、不登校のお子さんが無理なく取り組めるスマホ学習アプリを比較し、それぞれの特徴やメリットを詳しく解説します。また、家庭学習を学校の「出席」として認めてもらうための制度についても触れていきます。お子さんの心のエネルギーを大切にしながら、一歩ずつ前に進むためのヒントとして、ぜひ参考にしてください。
不登校中のスマホ学習アプリ比較で押さえておきたい3つのポイント

不登校の状態にあるお子さんにとって、学習アプリ選びは単なる「成績アップ」のための手段ではありません。まずは、お子さんの今の状態に寄り添い、精神的な負担を減らしながら続けられるかどうかを重視する必要があります。ここでは、アプリを選ぶ際に必ず確認しておきたい基本的な比較ポイントを3つに整理しました。
学習のハードルを下げる無学年方式の採用
不登校の期間が長くなると、多くのケースで「今の学年の勉強がわからない」という状況に陥ります。一般的な学習アプリは現在の学年に沿った内容を配信しますが、不登校のお子さんには「無学年方式」を採用しているアプリが非常に適しています。
無学年方式とは、学年の枠にとらわれず、わからない箇所があれば何学年分でも遡って学習でき、逆に得意な部分はどんどん先に進める仕組みのことです。例えば、中学2年生であっても、つまずきの原因が小学校5年生の算数にあるなら、そこからやり直すことができます。「わからない」という挫折感を味わいにくく、小さな「できた」を積み重ねることで自信を取り戻すきっかけになります。
また、アニメーションを用いたレクチャーや、キャラクターとの対話形式で進むアプリもあり、勉強に対する心理的な拒否反応を和らげる工夫が凝らされています。まずは「勉強=苦痛」というイメージを払拭できるような、スモールステップで進める教材を選んでみてください。
出席扱い制度に対応しているかどうか
不登校のお子さんを持つ保護者の方にとって、非常に重要なのが「ICT等を用いた自宅学習による出席扱い」の制度です。文部科学省の指針により、一定の条件を満たせば、自宅で学習アプリを使って勉強した時間を学校の出席日数としてカウントできる可能性があります。この制度を利用できるかどうかは、アプリ選びの大きな基準となります。
すべての学習アプリが出席扱いに対応しているわけではありません。学校側が「学習内容が適切である」と判断しやすく、かつ保護者と学校が連携しやすい仕組み(学習履歴のデータ化など)を備えているアプリを選ぶ必要があります。具体的には「すらら」などの教材が、この制度の活用実績が豊富で知られています。
出席扱いが認められると、お子さん自身も「学校には行けていないけれど、自分はやるべきことをやっている」という自己肯定感を得やすくなります。内申点への影響も考慮し、将来の進路選択の幅を広げるためにも、出席扱いのサポートが手厚いアプリかどうかを比較検討してみてください。
お子さんのタイプに合った学習スタイル
学習アプリには大きく分けて、一流講師による「映像授業型」、AIが苦手な問題を提示する「演習型」、専用タブレットで動く「ゲーム要素型」などがあります。お子さんの性格や特性によって、どのスタイルが馴染むかは大きく異なります。例えば、人の声を聞くのが辛い時期であれば映像授業よりもテキストベースの演習型が向いているかもしれません。
また、スマホだけで完結するのか、それともタブレットやPCが必要なのかといった動作環境も重要です。スマホは手軽ですが、画面が小さいため長時間の学習には向きません。一方で、自分の部屋で横になりながらでも取り組める手軽さが、学習を始めるきっかけになることもあります。お子さんの今の気力や、デバイスへの慣れ親しみ具合を観察して選んであげましょう。
多くのアプリでは無料体験期間が設けられています。まずは保護者が内容を確認し、次にお子さんに「これ、少し触ってみる?」と提案してみるのが良いでしょう。無理にやらせるのではなく、お子さんが「これならできそう」と思える直感を大切にしてください。
不登校のお子さんに選ばれている人気の学習アプリ・教材

実際に不登校のお子さんやそのご家庭で選ばれている、代表的な学習アプリや教材をご紹介します。それぞれに特徴があり、目指すゴールや現在の学習状況によって最適な選択は異なります。ここでは、特に利用者の多い4つのサービスを比較し、どのようなお子さんに向いているのかを掘り下げていきます。
主要学習アプリ比較表
| アプリ名 | 主な特徴 | 無学年方式 | 出席扱い |
|---|---|---|---|
| すらら | 対話型アニメーション・不登校支援が強力 | あり | 実績多数 |
| スタディサプリ | 一流講師の神授業・圧倒的な低コスト | 実質あり | 学校による |
| スマイルゼミ | 専用タブレット・教科書準拠で丁寧 | 一部あり | 学校による |
| デキタス | ゲーム感覚・短時間で達成感を得やすい | あり | 実績あり |
不登校支援に最も定評がある「すらら」
不登校のお子さんにとって、第一候補に上がることが多いのが「すらら」です。最大の特長は、キャラクターが語りかけてくれる対話型のレクチャーにあります。一方的に説明を聞くのではなく、こまめに質問が投げかけられるため、集中力が途切れにくい設計になっています。また、無学年方式を徹底しており、小学校高学年から高校生まで幅広い範囲をカバーしています。
さらに「すらら」には、不登校のお子さんを抱える保護者をサポートする「すららコーチ」という制度があります。現役の塾講師やカウンセラー経験者が、お子さんとの接し方や学習計画のアドバイスをしてくれるため、保護者が一人で抱え込まずに済みます。学校との連携方法についてもノウハウがあるため、出席扱いを目指す場合には最も心強い存在と言えるでしょう。
学習データが細かく蓄積されるため、お子さんがどれだけ頑張ったかが可視化されます。このデータを学校に提出することで、学習の成果を客観的に証明しやすくなります。「勉強の仕方がわからない」「何年も遡ってやり直したい」というお子さんにとって、非常に親切な設計の教材です。
圧倒的なコストパフォーマンスの「スタディサプリ」
「スタディサプリ」は、月額料金が非常に安価でありながら、日本最高峰の講師陣による授業動画が見放題となるサービスです。スマホ一台あれば、いつでもどこでもプロの授業を受けることができます。不登校のお子さんの中でも、ある程度自立して学習を進める意欲があり、特に「特定の教科の遅れを取り戻したい」と考えている場合に適しています。
無学年方式という名称ではありませんが、契約すれば小学校から高校までのすべての授業動画が見られるため、実質的に遡り学習が可能です。授業は1本あたり15分程度と短く構成されており、集中力が続きにくいお子さんでも「1本だけ見てみよう」という気持ちになりやすいのがメリットです。基礎から応用、受験対策まで幅広く対応しているため、進学を見据えた学習にも役立ちます。
ただし、スタディサプリは自主的に動画を選んで視聴するスタイルが基本となるため、全く学習習慣がないお子さんや、何から手をつけていいか迷ってしまうお子さんの場合は、保護者のサポートが必要です。まずは興味のある分野の動画を娯楽感覚で眺めることから始めて、少しずつ学習のリズムを作っていく使い方がおすすめです。
教科書準拠で安心感のある「スマイルゼミ」
「スマイルゼミ」は、専用のタブレットを使用して学習を進めるスタイルです。教科書準拠(お子さんが通っている学校の教科書に合わせた内容)であるため、学校に戻ったときやテストを受けたときに「これ知っている!」という感覚を持ちやすいのが特徴です。アニメーションや音声での解説が丁寧で、タブレット一台で全教科の学習が完結します。
最近では「コアトレ」という無学年方式のトレーニング機能も追加され、学年を超えた先取りや遡り学習にも対応できるようになりました。専用タブレットは「書く」ことにこだわって設計されており、記述式の問題にもしっかり取り組めます。また、学習を終えるとスター(ポイント)がもらえ、それでゲームをしたりアバターを飾ったりできるといった、お子さんのモチベーションを高める仕組みが豊富です。
保護者向けの管理機能も充実しており、その日に何をどれくらい学習したかがスマホに届きます。直接「勉強したの?」と聞かなくても頑張りを確認できるため、親子間の不必要な摩擦を避けることができます。まずはタブレットを触る楽しさを入り口に、学習への抵抗感をなくしていきたいお子さんにぴったりの教材です。
楽しさと達成感を重視した「デキタス」
「デキタス」は、教科書の内容を1日10分から効率よく学べるように設計されたアプリです。キャラクターや世界観がポップで、学習というよりはゲームをクリアしていく感覚に近いため、勉強に対して強い拒否感があるお子さんでも比較的取り組みやすいのが魅力です。さかのぼり学習機能や、関連した単元を自動で提示してくれる機能があり、効率的に穴を埋めることができます。
不登校のお子さん向けの活用事例も多く、出席扱い制度の対象として認められた実績も複数あります。問題が細かくスモールステップで構成されているため、正解する喜びを頻繁に味わうことができ、自己肯定感の向上に寄与します。料金設定も比較的リーズナブルで、導入のハードルが低いのもポイントです。
学習のご褒美として、アプリ内で使えるアイテムや景品と交換できるポイントが貯まる仕組みなど、子どもを飽きさせない工夫が随所にあります。まずは「勉強は辛いものではない」という感覚を持ってもらいたい、短時間でも毎日何かに取り組む習慣をつけたいというご家庭におすすめの選択肢です。
アプリ学習で出席扱いを受けるための具体的な手順

不登校のお子さんが自宅でスマホ学習アプリを使って勉強した場合、それを学校の「出席」として認めてもらえる可能性があります。これは文部科学省が定めた「不登校児童生徒が自宅においてICTを活用した学習活動を行った場合の指導要録上の出欠の取扱いについて」という通知に基づくものです。ここでは、その認定を受けるためのポイントを解説します。
文部科学省の通知内容を正しく理解する
まず大切なのは、この制度が「学校に行かなくて良い」という免罪符ではなく、あくまで「自宅で努力していることを正当に評価する」ためのものであると理解することです。文部科学省の通知では、上記の7つの要件が示されていますが、最終的な判断は各学校の校長先生に委ねられています。
かつては非常に厳しい運用がされていましたが、近年はICT教育の普及により、柔軟に対応する学校が増えています。特にお子さんの精神的な安定や、社会とのつながりを維持するための手段として、この制度の活用は推奨されています。保護者の方は、まずこの制度の存在を念頭に置きつつ、「わが子の場合はどう活用できるか」を考えることから始めましょう。
出席扱いになれば、欠席日数がカウントされないだけでなく、学習の成果を評価(成績)に反映してもらえる場合もあります。これは高校進学などの際に、お子さんの選択肢を広げる大きな助けになります。制度の詳細は文部科学省のホームページなどで公開されていますので、一度目を通しておくと学校との交渉がスムーズになります。
学校や担任の先生との事前相談と合意形成
出席扱いの手続きで最も重要なステップは、学校側との良好な関係づくりです。いきなり「このアプリで勉強したから出席にしてください」と伝えるのではなく、まずは担任の先生や学年主任、スクールカウンセラーなどに「家庭での学習を少しずつ始めようと考えている」と相談することからスタートしましょう。
相談の際には、使用を検討している学習アプリの資料(不登校支援の内容がわかるもの)を持参すると話が通りやすくなります。学校側もこの制度について詳しく知らない場合があるため、保護者が情報を提示して「一緒に協力してほしい」というスタンスで臨むのがコツです。お子さんの現在の体調や気力も考慮しつつ、どのような形で学習状況を報告するかを話し合います。
また、要件の中にある「対面指導」についても確認が必要です。これは先生が家庭訪問をするケースだけでなく、オンラインでの面談や、放課後の登校、あるいはフリースクールのスタッフとの面談などが含まれることもあります。学校側が「どの程度の関わりが必要か」を明確にしてもらうことで、無理のない計画が立てられます。
日々の学習記録の管理と提出方法の工夫
出席扱いが認められた後、重要になるのが「学習の実績をどう証明するか」です。多くの学習アプリには、いつ、どの単元を、どれくらいの時間学習したか、正答率はどうだったかという履歴が自動で残ります。このデータを定期的にプリントアウトしたり、メールで送ったりすることで、客観的な証拠として学校に提出できます。
単に「やりました」という自己申告だけでなく、アプリの管理画面のスクリーンショットや、実際に解いたノート、プリントなどを合わせて提出すると、より信頼性が高まります。また、お子さん自身がその日の体調や感想を一言添えるような「学習日記」を併用するのも効果的です。これにより、学校側もお子さんの様子を細かく把握できるようになります。
提出の頻度は週に1回、あるいは月に1回など、学校と相談して決めましょう。報告を重ねることで、学校側も「この子は家でしっかり頑張っているんだな」という認識を持つようになり、次のステップへの支援が得やすくなります。保護者が間に入って情報を橋渡しすることが、お子さんの努力を形にするための鍵となります。
不登校の時期別に見るスマホ学習アプリの活用法

不登校と一口に言っても、お子さんの心の状態は時期によって変化します。心身ともに疲れ果てている時期に無理やり学習アプリをさせようとすれば、かえって状況を悪化させてしまうかもしれません。ここでは、お子さんの状態に合わせた、スマホ学習アプリの適切な取り入れ方を時期別に解説します。
心を休ませる時期:娯楽に近い感覚で触れる
学校に行けなくなり始めた直後や、心身のエネルギーが枯渇している時期は、無理に勉強を勧める必要はありません。この時期の最優先事項は「心と体をゆっくり休ませること」です。勉強に対して強い不安を感じている場合は、あえて「今は勉強のことは考えなくていいよ」と伝えてあげることも大切です。
もし、お子さんがスマホを触る元気があるようであれば、学習アプリというよりも、知的好奇心を刺激する動画やゲーム要素の強いコンテンツから入るのが良いでしょう。例えば、歴史の漫画動画を見たり、クイズ形式のアプリに触れたりする程度で十分です。「勉強」という枠組みではなく、「楽しいコンテンツ」の一つとしてスマホの中に置いておくイメージです。
この時期に保護者がアプリの進捗を厳しく管理するのは逆効果です。あくまで「もし気が向いたら、こんなのもあるよ」と提示するに留め、お子さんが自発的に開くのを待ちましょう。デバイスを触っていること自体が、外界との接点を持つための大切なリハビリテーションになっていることもあります。
少しずつ活動を始める時期:好きな教科から短時間取り組む
食欲が出てきたり、家の中で少しずつ会話が増えてきたりしたら、少しずつ学習を提案してみるタイミングかもしれません。この時期のポイントは「短時間」かつ「得意分野」から始めることです。最初から全教科を網羅しようとせず、例えば「1日5分だけ好きな歴史の動画を見る」「英単語アプリを10個だけやる」といった低い目標を設定します。
学習アプリのメリットは、中断が容易で、自分のペースでいつでもやめられることです。少し疲れたらすぐにスマホを閉じてもいいという安心感がお子さんの背中を押します。また、この時期に「遡り学習」を取り入れることで、わからなかった部分が「わかる」ようになる体験をさせ、学習への苦手意識を少しずつ解消していきます。
保護者は、たとえ5分であってもアプリを開いたことを最大限に褒めてあげてください。「たったこれだけ?」という言葉は厳禁です。お子さんにとっては、重い腰を上げてスマホを開いたこと自体が大きな一歩だからです。小さな成功体験を積み重ねることが、心のエネルギーを充電していくプロセスになります。
復帰や進路を考え始める時期:学力の遅れを取り戻す計画作り
将来の進路や、学校(あるいはフリースクールなど)への復帰を少しずつ口にするようになったら、本格的に学力の遅れを取り戻す計画を立てていきます。ここでは、これまで細切れに使っていた学習アプリを、より体系的な学びへとシフトさせていきます。志望校のレベルに合わせたコースを選んだり、模擬試験の機能を使ったりして、今の実力を把握するのも良いでしょう。
この時期は、アプリの学習履歴をもとに「今週はここまで終わったね」と振り返りを行うなど、具体的な目標設定をサポートしてあげます。ただし、やる気が空回りして無理な計画を立ててしまうこともあるため、保護者は「詰め込みすぎないよう」に見守る役割も担います。あくまで継続できるペースを守ることが、長期的な自信につながります。
また、出席扱いの制度を最大限に活用し、これまでの学習成果を学校に認めてもらうことで、内申点の確保や受験対策に結びつけていきます。学習アプリでの学びが「自分の将来につながっている」という実感が持てるようになると、お子さんの意欲はさらに安定します。学習が、外の世界へ踏み出すための自信の糧となっていく時期です。
スマホ学習を継続させるために保護者ができるサポート

高性能な学習アプリを用意しても、それを継続するのは容易ではありません。特にお子さんが不登校の状態にあるときは、日によって気分の浮き沈みがあるのが当然です。アプリという「ツール」を活かすためには、それを取り巻くご家庭の環境づくりが不可欠です。保護者としてどのように見守り、支えていけば良いのかをお伝えします。
勉強したこと自体を肯定する声かけのコツ
不登校のお子さんは「自分はみんなと同じことができていない」という強い罪悪感を抱えていることが多いものです。そのため、テストの点数や正答率といった「結果」ではなく、スマホを開いて学習に取り組もうとした「姿勢」そのものを肯定してあげてください。「今日もアプリを立ち上げたね」「5分間集中していたね」といった具体的な事実を認める声かけが効果的です。
また、「頑張って」という言葉がプレッシャーになることもあります。その場合は「あなたが勉強している姿を見ると、安心するよ」「少しずつ進んでいるのがわかって嬉しいよ」といった、保護者のプラスの感情(Iメッセージ)を伝えると、お子さんも素直に受け取りやすくなります。他人との比較ではなく、過去のお子さん自身と比較して、成長している部分を見つけてあげましょう。
もし、何日もアプリを触れない日があったとしても、それを責めてはいけません。「今は休む時期なんだな」と受け止め、また気が向いたときにいつでも再開できるような、ゆったりとした空気感を保つことが大切です。保護者が焦らずどっしりと構えていることが、お子さんにとって最大の安心感になります。
デジタル端末との付き合い方・ルールの作り方
スマホやタブレットを学習に使う場合、どうしてもYouTubeやSNS、ゲームなどの誘惑がつきまといます。「勉強すると言いつつ、ずっと動画を見ている」という状況に、やきもきすることもあるでしょう。しかし、ここで一方的に端末を取り上げたり、厳しい制限をかけたりするのは、お子さんとの信頼関係を損なう恐れがあります。
まずは、お子さんと話し合って「ここまではOK、ここからは学習」という緩やかなルールを作ってみましょう。例えば「午前中の30分だけは学習アプリを優先する」「学習が終わったら好きな動画を見て良い」といった、納得感のある取り決めです。また、アプリによっては「学習モード」があり、他のアプリの通知を遮断したり、特定の時間帯だけ学習以外を使えなくしたりする設定も可能です。
大切なのは、デジタル端末を「敵」にするのではなく、うまく付き合うためのスキルを親子で育てていくという視点です。不登校の時期は、デジタルが社会との唯一の接点であることも多いため、頭ごなしに否定せず、学習と休息のメリハリをつけるサポートを根気強く続けていきましょう。
ルール作りで失敗しないコツ:
最初から完璧なルールを決めようとせず、「まずは1週間やってみて、合わなかったら調整しよう」と柔軟に構えておくことが、親子のストレスを減らすポイントです。
本人の「やりたい」という意欲を待つ姿勢の重要性
学習アプリの比較検討を終え、準備が整ったとしても、最後にお子さんが「やる」と決めるまでには時間がかかるかもしれません。不登校のお子さんに最も必要なのは、自分の意思で動く「自己決定感」です。保護者が「やりなさい」と指示してやらせる勉強は、一時的な効果はあっても、長続きせず、本人の自信にもつながりません。
保護者ができることは、最適な環境を整え、情報を提示し、あとはお子さんのエネルギーが溜まるのをじっと待つことです。一見、何もしていないように見える時間も、お子さんの心の中では葛藤や整理が行われています。その時間を尊重し、「いつでもサポートする準備はできているよ」というサインを送り続けることが、最も重要で難しいサポートです。
お子さんが自らアプリを開き、「今日はここがわかった」と話してくれたときは、その変化を一緒に喜んでください。親の期待に応えるためではなく、自分のために学ぶ喜びを少しずつ知っていくことが、不登校から次のステップへ進むための確かな力になります。焦らず、お子さんのペースを信じて、共に歩んでいきましょう。
不登校のお子さんに最適なスマホ学習アプリ比較と選び方のまとめ
不登校という大きな変化の中で、学習アプリは勉強の遅れを取り戻すだけでなく、お子さんの自信を回復させる有効な手段となります。まずは「無学年方式」や「出席扱い制度」への対応状況を確認し、お子さんの今の心理状態に合ったアプリを比較検討することから始めてみてください。
「すらら」のように手厚いサポートがあるものから、「スタディサプリ」のように手軽にプロの授業を受けられるものまで、選択肢は多様です。どのアプリを選ぶにしても、最も大切なのは「お子さんのペースを守る」ことです。無理にやらせるのではなく、本人が「やってみようかな」と思える環境と、保護者の温かな見守りがあってこそ、ツールは真の価値を発揮します。
学習の継続には波がありますが、一歩ずつ進むことが将来の可能性を広げていきます。学校との連携や出席扱いの制度も活用しながら、お子さんの「できた」という実感を大切に育てていきましょう。この記事で紹介したポイントが、お子さんとご家族にとって最適な学びの形を見つける一助となれば幸いです。



